歯を強くするフッ素とフルオロアパタイト
こんにちは。明石市朝霧町にある歯医者、みのりの歯科です。
歯はとても硬い組織ですが、酸によって少しずつ溶ける性質があります。その歯を酸に負けにくい強い歯に変えてくれるのがフッ素です。フッ素は歯の表面の結晶構造を変化させ、より虫歯になりにくい歯を作ります。
ここでは、歯の表面の構造とフルオロアパタイトについて解説します。
目次
エナメル質表面はどうなっている?
人体の中でもっとも硬い組織
歯の表面はエナメル質という組織で覆われています。エナメル質は人体の中でもっとも硬い組織といわれており、骨よりも硬い組織です。このエナメル質があることで、私たちは毎日食事をしても歯がすぐに削れたり壊れたりすることなく使うことができます。
柱が重なったような構造

エナメル質は一枚の板のような構造ではなく、細い柱がたくさん集まったような構造をしています。これをエナメル小柱といいます。この柱の中には歯の成分である結晶がぎっしり詰まっていますが、完全に隙間がないわけではなく、非常に小さな隙間があります。この小さな隙間からカルシウムやリン、フッ素などの成分が出入りしています。
ヒドロキシアパタイトとフルオロアパタイト
ヒドロキシアパタイト
歯のエナメル質の主成分はヒドロキシアパタイトという結晶です。これはカルシウムとリンからできている結晶で、歯や骨の主な成分になっています。ただし、このヒドロキシアパタイトは酸に溶けやすいという性質があります。虫歯菌が出す酸によってヒドロキシアパタイトが溶けると、歯の表面からカルシウムやリンが溶け出してしまい、これが虫歯の始まりになります。初期の虫歯であれば、唾液の働きによってカルシウムやリンが歯に戻り、元の状態に近づくことがあります。これを再石灰化といいます。
フルオロアパタイト
再石灰化のときにフッ素が歯の表面に存在すると、ヒドロキシアパタイトの一部がフルオロアパタイトという結晶に変わります。フルオロアパタイトはヒドロキシアパタイトよりも酸に溶けにくいという特徴があります。つまり、フッ素を取り込んだ歯は、虫歯菌が出す酸に対して強い歯になるということです。特に、生えたばかりの歯はフッ素を取り込みやすいため、お子様の虫歯予防にはフッ素がとても重要になります。
効果の持続時間は?
フッ素は少しずつ取り込まれる
フッ素は一度塗ればずっと効果が続くというものではありません。歯の表面に少しずつ取り込まれて、時間をかけて歯を強くしていきます。そのため、一度だけフッ素塗布をしても十分とはいえず、定期的にフッ素を取り入れることが大切になります。また、フッ素は歯の表面に長時間とどまることで効果を発揮します。歯磨きのあとに何度も口をゆすいでしまうと、せっかくのフッ素が流れてしまうため、軽く1回ゆすぐ程度にするのがおすすめです。
毎日使うことが大切
歯を強くするためには、歯科医院でのフッ素塗布だけでなく、毎日の歯磨きでフッ素入り歯磨き粉を使うことがとても大切です。少量でも毎日フッ素を取り入れることで、歯の表面が少しずつフルオロアパタイトに変わり、虫歯になりにくい歯になります。フッ素は特別なものではなく、毎日の歯磨きの中で取り入れることができる虫歯予防です。正しい歯磨きとフッ素の使用を続けることで、歯を強く保つことにつながります。

【まとめ】
歯の表面のエナメル質はヒドロキシアパタイトという結晶でできていますが、フッ素を取り込むことでフルオロアパタイトという酸に強い結晶に変わります。これにより歯は虫歯になりにくくなります。フッ素の効果は一度で終わるものではなく、毎日少しずつ取り入れることで歯が強くなっていきます。フッ素入り歯磨き粉や歯科医院でのフッ素塗布を上手に活用し、虫歯になりにくい歯を作っていきましょう。

【この記事の監修者】
明石市みのりの歯科 院長 片山 実(歯科医師)
大阪歯科大学卒業後、大阪歯科大学附属病院での研修を経て、複数の歯科医院に勤務。現在は兵庫県明石市朝霧町にて「極力痛くしない、快適な歯科治療」をモットーに、小児から高齢者まで幅広い患者さまの診療にあたっている。患者さまとのコミュニケーションを大切にし、一人ひとりの状態に合わせた丁寧な説明と治療を心がけている。
