しみる原因?楔状欠損とは

こんにちは。明石市朝霧町にある歯医者、みのりの歯科です。歯を磨いているときや冷たい飲み物を口にしたときに「キーン」としみる経験をしたことはありませんか。その原因の一つとして挙げられるのが「楔状欠損(くさびじょうけっそん)」です。歯と歯ぐきの境目にくさびのような欠けができるもので、見た目は小さくても不快な症状を招くことがあります。ここでは、楔状欠損の特徴や原因、治療法について詳しくご紹介します。
【目次】
1|楔状欠損の特徴
1-1|歯と歯肉の境目にできる楔上の欠損
1-2|知覚過敏の原因になる
1-3|基本的に非進行性
2|原因はある?
2-1|歯磨きが強い
2-2|根面の露出
2-3|強い噛み締め
3|楔状欠損の治療法
3-1|コーティング液の塗布
3-2|CR 充填
【まとめ】
1|楔状欠損の特徴
1-1|歯と歯肉の境目にできる楔状の欠損
楔状欠損とは、歯の歯頸部にできる、V 字型やくさび状の欠けを指します。虫歯のように黒くなることは少なく、歯の色のまま表面が削れたように見えるのが特徴です。特に小臼歯部や犬歯など、噛み合わせの力がかかりやすい歯に多く見られます。鏡で見て、歯の付け根がえぐれていると感じる場合、それが楔状欠損かもしれません。
1-2|知覚過敏の原因になる
歯の表面はエナメル質で覆われていますが、楔状欠損によってこの部分が薄くなったり失われたりすると、その下にある象牙質が露出します。象牙質には細かい管が通っていて、刺激が歯の神経に伝わりやすくなります。そのため、冷たい水や風、歯ブラシの毛先が触れただけで「ズキッ」としみる知覚過敏を起こしてしまうのです。
1-3|基本的に非進行性
楔状欠損は一度できると自然に治ることはありませんが、虫歯のようにどんどん進行して大きくなることは少ないとされています。そのため、欠損が小さいうちは症状がほとんど出ず、放置されるケースもあります。ただし、知覚過敏が強くなったり審美的に気になる場合は治療が必要になります。
2|原因はある?
2-1|歯磨きが強い
もっとも一般的な原因の一つが強すぎる歯磨きです。硬い歯ブラシを使って力を込めて横磨きを続けると、少しずつ歯の表面が削られて楔状欠損が生じます。特に利き手側の歯にできやすい傾向があり、毎日の習慣の積み重ねで起こることが多いです。
2-2|根面の露出
加齢や歯周病によって歯肉が下がると、歯の根元が露出します。エナメル質に比べて柔らかい象牙質は摩耗しやすく、歯ブラシなどの刺激で削れて楔状欠損につながります。歯肉が下がっている方は、注意が必要です。
2-3|強い噛み締め
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯に強い力が集中します。その結果、歯の付け根に力が加わり、細かいひびが入り、結果的に表面のエナメル質が欠けてしまうことがあります。これはアブフラクションと呼ばれる現象で、ブラッシング習慣が正常でも噛み合わせの力だけで楔状欠損が生じる場合があります。
3|楔状欠損の治療法
3-1|コーティング液の塗布
症状が軽度であれば、歯の表面に知覚過敏抑制剤やコーティング材を塗布する方法があります。象牙質を覆うことで刺激が神経に伝わりにくくなり、しみる症状が和らぎます。処置は短時間で終わり、歯を削る必要もありません。ただし効果は永続的ではなく、定期的な塗り直しが必要になることもあります。
3-2|CR 充填
欠損が大きく、しみる症状が強い場合にはコンポジットレジン(CR)という歯科用プラスチックを詰める治療を行います。歯の色に近いレジンを欠けた部分に盛り、光で硬化させて形を整えるため、適切に処置すれば症状は大きく改善します。ただし噛み合わせやブラッシングの力が強いと外れることもあるため、定期的なチェックが必要です。
4【まとめ】
楔状欠損とは、歯と歯肉の境目にできるくさび状の欠けで、知覚過敏の原因になることがあります。主な原因は強すぎる歯磨き、歯肉の退縮、噛み締めなどで、虫歯や歯周病と違って進行性は低いものの、知覚過敏につながることがあります。治療法にはコーティング液の塗布やコンポジットレジン充填があり、症状の程度に応じて選択されます。また、再発予防には日常生活での工夫が欠かせません。歯ブラシはやわらかめを選び、力を入れすぎずに磨くことが大切です。さらに、歯ぎしりがある方にはマウスピースを使ったナイトガードが有効な場合もあります。少しでも違和感を覚えたら、明石市のみのりの歯科へ早めにご相談ください。